ぢごくのそこ

作品の感想とかを書いていこうと思います

俺の考えた最強の『Charlotte』②

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 前回の記事では、基本的な世界観の設定を行うことによって、特に物語前半部分のストーリーラインをスマートに出来たと思う。

 さて、次は何をしよう。前から順番にストーリーを探っていくのが順当に思われるが、これは危険である。話を時系列順に作っていくのは手探りでトンネルを掘り始めるようなものだ。どこに行き着くかわからないし、永遠に地中をさまようことになるかもしれない。アタマを作ったら次に作るべきはケツ。つまりクライマックスだ。

 この物語のクライマックスにあたるのは「主人公が世界中の人々を救う選択をすること」である。ここから考えてみよう。

■クライマックスの解決方法

 世界中の人々を救う方法として、本編では”全世界の超能力者に総当り”という方法がなされ、それを成功させていた。これは少々問題である。

 まず第一にこの方法だとカタルシスが生み出されない。総当りとは作業のようなものだ。カタルシス=問題解決の爽快さとは無縁である。

 いや、待てよ。もしかしたら、クライマックスでの主人公の苦しさや痛みを視聴者と共有するためにあえてこのような解決方法を選択したのかもしれない。しかし、それもそれで上手く機能していない。主人公の苦しさを描きたいのであればこんなに淡々とダイジェストの様に解決を描写していくのは間違いだろう。最終回をこのような形に収めようとすると、かなり都合の良い物語展開を迫られてしまう。

 では、別の解決策を探るとしよう。世界中の能力者を消すにはどうしたら良かったか。

 やはり、問題の根本の解決を図るには、タイムリープCharlotte彗星そのものの破壊が望ましいのではないかと思う。

Charlotte彗星の破壊

 ではどうすればCharlotte彗星を破壊できるだろうか?高城の能力で彗星まで飛んでいき、歩美の能力で破壊する。これがいいではないだろうか。問題はどうやって宇宙空間に耐えられるような仕組みを作るかである。そのような能力を持った能力者を新たに登場させるのも手ではあるが、今回のルールでは基本的にキャラクターを増減させない縛りで進めている(アニメキャラクターを一人増やすのは相当なコストだ)。別の選択肢を探ろう。

 宇宙服やその他のガジェットを登場させるという手もある。科学者たちの研究施設から盗み出すとか。しかし、この案も微妙である。超能力モノというジャンルに乗っかっている以上、超能力で解決するべきだろう。

 うーん、ここで詰まってしまった。

 では、頭を切り替え、そもそもCharlotte彗星を破壊することが本当に必要かについて考えてみよう。

Charlotte彗星破壊以外の選択肢

 前回の記事で、能力者が日本にだけ発生する何らかの地理的な要因を考えると書いた。これが突破口になるのではないか。例えば、科学者たちの作った電波塔から電磁波を出すとその地域にいる人間がランダムで能力者になる…。うーん、この案も微妙だ。そんな塔を建てられるのなら、自分たちの実験施設内に建てたほうが圧倒的に能力者の回収もしやすいし、ちょっと設定が入り組んでいて都合が良すぎる気もする。

 いや、待て。そもそも、全世界の能力者を救う展開のためには、全世界に能力者がいる必要がある。しかし、物語前半部のストーリー展開のために超能力者の発生する地域を限定してしまった。これでは全世界に能力者が生まれないではないか。初めは比較的狭い空間内で展開していた話が、一気に世界レベルの出来事まで拡張されたことによって起こった食い違いである。

 世界中に能力者がいたが、彼らの存在が公になることはなく、物語前半では何らかの原因によって日本にしか現れなかった。Charlotte彗星は何らかの方法で破壊され、問題が全て解決に向かう。

 うーん、つじつま合わせが難しい。では、一旦この問題は保留にし、そもそも何故「全世界の能力者を消す」という選択を主人公がしたのかについて考えよう。

■主人公の動機

 本編では「またあんなこと(マフィア襲撃・歩美の死)が起きそうだから」という、ふわっとした理由で総当りの旅に出かけていた。

 これでは動機が希薄であるとは以前の記事でも指摘したとおりだが、どのように改変すればいいだろう。

 進行中の危機、つまりサスペンスが存在していないのが薄い動機の原因だ。ならば、どうにかして主人公の大切なものを危険に晒したままにしておけば良いだろう。その解決策として「全世界の能力者を消す」という選択がなされれば良い。

 主人公の大切なもの。なんだろうか。一人は確実に最愛の妹、歩美である。彼女の命が常に危険な状態にあれば良い。

 ここで、このアニメが持つループ構造を思い出す。実はこのアニメではループ自体がそれほど活用されているわけではないのだ。ループした直後に歩美を救ってしまうので、歩美が危険問題はサクっと解決してしまうわけだ。その後ループは出てこない。

 この辺がポイントなのではないか。

 ループものの持つ展開としてありがちなのは、何度やり直してもうまくいかないという一種の閉塞感を描くというものである。

 何度やり直しても歩美を助けられない…、ここを描いていくのがいいのではないか。

 続いてマフィア襲撃について考えてみる。ここで熊耳が死ぬわけだが、はっきり言ってそれまで主人公と熊耳、視聴者と熊耳の心理的な繋がりがほとんどないため、衝撃は弱い。では、誰が死ねば一番衝撃的だろう…。最も主人公と繋がりが深いキャラクターって。ここ、友利が死んだら面白くならね?

 そして先程のループ構造も思い出す。あ!

 歩美を助けようと思ったら、友利が死んでしまう。友利を助けようと思ったら歩美が死んでしまう。これなら、「全世界の能力者を消す」という主人公の選択が決定的なものになるのではないか!

 諸々のつじつま合わせは後でやれば大丈夫だ。

 更に!ここに来て、世界に飛び出すという展開も残しておけるではないか。

■世界へ飛び出す展開

 こうしたらどうだ!

 日本にいては歩美も友利も助けられないと考えた主人公はマフィア壊滅のため、もしくは科学者連中の本拠地壊滅のため、世界各地に向かう。

 そこでもうまくいかない。自身は傷つき、罪のない人々をも巻き込んでしまう。

 最後にはマフィアの構成員に殺されそうになる主人公、そこへ現れたのが!そう!勇気ちゃんだ!

 彼女は能力など持っていない(ここは改変してもいいよね?超能力が勇気って変だし)が、見ず知らずの有宇をかばって死んでいく。

■クライマックスの動機の再考

 ここに来て、そもそも「世界中の能力者を消す」という選択自体が、「世界中の能力者のためだけ」になされなくても良いと気づいた。

 重要なのは、「自己中だった主人公が、世界中の虐げられた人々を救うために自らを犠牲にする」という展開である。

 能力によって不利益を被っているのは能力者だけじゃないという設定にしたらどうだろう。例えば、能力者によって虐殺された人々がいたりとか。だとすれば、だとすればだ。

 能力者の発生場所を日本だけに限っても別にいいよね?

Charlotte彗星の破壊についての再考

 あ、そうだ。Charlotte彗星の破壊方法について考えなくては。

 ちょっとルール違反かも知れないけど、世界各国を回ったときにそういう能力を持った能力者(一定時間だけバリアを張る事ができるとかね)の能力も手に入れたとしたらどうだろう。

 

 以上のことをふまえ、細かいつじつま合わせは後回しにするとして、こんな感じにストーリーをまとめられたのでは?

三日前に大接近したCharlotte彗星によって超能力に目覚めた主人公。さっそくその能力を使ってやりたい放題。そこへヒロインの友利奈緒が。強制的に高校へ入学させられる。友利達たちは日本に現れた能力者を敵組織から匿い、自分たちの味方に引き入れていた。敵組織は自分たちに従わない能力者はいとも簡単に殺してしまうのである。残る能力者はあと○○人。友利たちは無事に能力者を敵組織よりも先に全員確保できるのか?

 能力者確保を進める主人公たち。最後の能力者はなんと有宇の妹歩美だった。歩美に迫る敵組織の魔の手。有宇たちは歩美救出に向かうが、あと一歩のところで、歩美の能力が暴走。歩美は死亡してしまう。

 途方にくれる有宇だが、そこへ隼翼が現れる。隼翼の能力によって何とか歩美を救出する。しかし、歩美を救出したことによって、未来が変わってしまう。何らかの出来事によって、友利が死んでしまうのだ。

 既にこの時点で、友利のことが好きになっている有宇は、再度タイムリープすることで、友利を助けようとする。

 しかし、どうやら、歩美と友利を同時に救出することは不可能のようだった(この辺のつじつまは後の記事で合わせる)。

 何度繰り返しても失敗する有宇。

 やけになった彼は、敵組織の壊滅に向かう。だが、そこで彼は多くの罪のない人間を巻き込んでしまう。また、能力者たちが兵器として利用され、大勢の人々が犠牲になっていたことも知る。

 ボロボロになっていく有宇。視力は低下し、あと数回のタイムリープで失明してしまうだろうというとこまで来る。

 そこへ、一人の敵が襲いかかる。死を覚悟する有宇。だが、そこに現れたのは、一人の少女だった。

 何の能力も持たない彼女は見ず知らずの有宇のために盾になって死んでいく。なにかを決意する有宇。

 タイムリープ。戻ったのは、有宇の子供時代。まだCharlotte彗星によって最初の能力者が出現する前である。

 有宇はCharlotte彗星に向かって飛んでいく。手にした能力を使って彗星を破壊。彗星が破壊されたことによって、有宇の手にした能力も消えかけていく(この辺のタイムパラドックスはリアリティラインの許容範囲だと思う)。なんとか、地球に帰還した有宇。

 十年後、彼は町で友利とすれ違う。有宇が声をかけ、友利が振り返ったところで終わり。

こんな感じでどうだろう。次の記事では、更に具体的にストーリーを詰めていこう。

続く。