ぢごくのそこ

作品の感想とかを書いていこうと思います

俺の考えた最強の『Charlotte』①

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この記事を書いて約1年ほど経過した。

loo9.hatenadiary.jp

「じゃあ、どうすりゃ良かったのさ!」という声が聞こえてきそうである。

ので、考えてみた。

尚、最強のCharlotteを考える際に以下のようなルールを設ける。

・なるべくキャラクターを本編の通りに描く。特にキャラクターの性格は変更しない。ただし、キャラクターの成長する過程は変化する可能性もある。また、”超能力モノ”というジャンルの性質上、登場人物たちが所持している能力も性格と同様にそれぞれのキャラクターの固有の特徴である。ここも大きくは変えない。

・本編に登場したエピソードは、断片的なイメージに至るまでなるべく使用する。

・製作予算の大幅な超過が予想される展開は避ける。

・劇中で使用された楽曲は増えも減りもしないものとする。

・本編と同じく全13話で話を展開する。OVAで補完することは考えない。

■最低限の世界観設定

 さて、ドコから手をつけていこうかと考えてみる。まずは世界観の最低限の設定は行っておきたい。世界観を全く決めずに物語を構築しようというのは、基礎工事をせずに家を建て始めるようなものである。

 ここで以前の記事でも指摘し、麻枝さん本人も発言していることであるが、はっきり言って『Charlotte』の世界観設定はガバガバである。ガバガバなこと自体は作品の性質によっては別に問題ない。むしろ、その作品のファンタジー性を強化することに寄与する場合もあるのだが、『Charlotte』においてこの選択は誤りである。

 主人公が世界中の能力者の能力を奪うという選択をした以上、主人公を取り巻く世界は主人公が対峙し乗り越えなくてはならない存在である。つまり、この世界そのものが物語上の”敵”になってしまったわけである。”敵”という存在の説得力が低ければどうなるか。物語自体の説得力が低下してしまうのである。

 で、あるならば、考えられる選択肢は2つである。「世界観をより厳密に設定する」もしくは「主人公を世界と対峙させない」どちらかである。

 後者の選択肢も考えられなくはない。学園内など狭い領域で話の全て解決し、その外には出ない。小さな領域中心に世界が動く。いわゆるセカイ系の作品に持っていけるだろうと予想される。

 ただ、『Charlotte』ではやはり「世界に目を向ける、世界中の人々を助ける」というのが作品の特徴であり、個性である。麻枝さんも電撃G'sマガジン2015年12月号においてこのように発言している。

最初から意図していたものです。今作は主人公である乙坂有宇の成長物語で、有宇をどこまで成長させられるかというのが鍵だと思っていたので、最後には世界中の人々を助けられるまで成長させてやりたいなぁと考えて書きました。街や国を救うとかじゃ、弱いかなって。

これは落としてはいけない作品のキモだろう。よって、今回は前者の選択肢を選ぶことにした。世界観をある程度決めてしまおう。

■主軸となるストーリーと世界観の関係

 主軸となるストーリーとは「主人公である乙坂有宇の成長物語」であるが、これでは抽象的すぎて参考にならないのでもう少し具体化してみよう。『Charlotte』とは「非超能力の世界で生きていた自己中心的な主人公が、ヒロインによって超能力者の世界に引き込まれる。その中で様々な敵や困難と戦うことによって、主人公は成長する。やがて、最大の困難が押し寄せてきたとき、主人公は『自分を犠牲にして世界中の人々を救う』という選択をする。」話である。

 ここで、注目してほしいのは主人公が非超能力の世界(この日本語が正しいかは不明)つまり我々一般人の世界で生きていたが、超能力者の世界に引きずり込まれた。という点である。主人公は物語スタート時に既に能力を所持しているが、彼自身は一般人と同じ世界の中で生きているために”ズル”を行う事が可能だったわけである。ところが、ヒロインである友利奈緒によって主人公は強制的に超能力者たちの世界に移住させられる。超能力所持というスキルは超能力者という世界では無効とまではいかずとも、元いた世界のように”ズル”は行えなくなってしまうわけだ。これは葛藤(対立と言い換えた方が分かりやすいかもしれない)の一種である。超能力保持と非保持という2極の属性と、超能力世界と非超能力世界。この差がドラマを生み出すのだ。分かりにくければ、超能力をピアノの演奏スキル。超能力世界を音楽大学としてみよう。高校ではピアノが引けることで注目の的だった主人公。しかし、音大に進んでみたら、自分程度のスキルなどなんの価値もなかった…。もう、ドラマが動き出すのが見えてこないだろうか?そう。葛藤こそが、ドラマの基本なのだ。

 さて、話を戻そう。超能力世界と非超能力世界という対立構造が成立するには、超能力者が珍しいものであり、超能力者の存在が公になっていない。という世界を設定しなければならない。そこで疑問が湧いてくる。超能力を公表したり、それで金儲けする人はいないのだろうか?超能力の存在が広く知られた世界に設定して物語を展開することも可能ではあるだろうが、それは元のシナリオとかけ離れた話になってしまう。どうすればいいだろう?

 一方で、超能力者を利用しようとする組織が存在するのである。ということは、ある日突然ランダムで超能力が発症するんだけど、それを知っているのは本人や周りの人間、更に限られた社会勢力のみの世界ということである。これはあまりにも都合が良すぎないか?

 解決策として、ランダムではなく限られた人間にのみ発症すると変更もできる。例えば、研究施設で薬剤の投与を受けた被験体のみ。だが、これはこれでまた別の問題が出てくる。世界中の人を救うという、救世主的なストーリーラインが崩れてしまうのだ。

 さて、困った。どうしよう。では、こうしてみたらどうだろう。能力自体はランダムで発症するが、物語開始時には発症から極めて少ない時間、例えば3日間くらいしか経過していないとしたら。

■時間設定を変動させると上手くストーリーが展開する

 物語スタート時には発症から僅かな時間しか経過していないが、いずれ自分の能力を公表したり、その力を使って金儲けを企む人間が出てくる。そのような目立つ行為をした人間はどうなる?敵組織に捕まってしまう。敵より早く超能力たちを確保せねば!お、物語にタイムリミットが生まれた。ついでにいうと、科学者集団なる組織の説得力が増したのではないだろうか?恐らく、国家権力もしくはそれよりも大きな権力集団が背後にいるのではと想像可能だと思う。

 ここで確保しなければならない人数をきちんと決めておけば更に物語がスッキリするだろう。例えば熊耳の能力を「新たに能力を発症した人物の場所を特定することができる」に変更しよう。これは熊耳の本来の能力「能力者の位置特定能力」を更に限定的にしたものなので、ルールの範囲内である。いや、待て。日本にだけ能力者が現れるのは不自然ではないだろうか。ということは物語前半から世界に飛び出していく必要がある?だが、この選択をしてしまったら主人公が最終的に行う「世界中の全ての能力者を助けたい」という選択そのものが特別な意味を持たなくなってしまう。では、日本にだけ能力者が現れた方が好都合である。「彗星が最も接近したのは日本だった」程度の理由で十分だろう。「角度的にちょうど良かった」でもなんでも良い。ここは理由さえあれば彗星警察以外気にしないはずだ。(そもそも彗星によって超能力に目覚めるって意味不明だしね)更に場所をもっと限定しても良いかもしれない。例えば半径○○km以内に能力者が存在していると敵組織も分かっていれば、物語の緊張感を高めるはずだ。これの理由付けとして、例えば、「彗星が通過した時、ある地域にいること」という2つの条件を満たしたときのみ能力を授かると設定を若干変更すれば良い。

 ここまでくれば、前半部分の物語がかなりスマートになるのではないだろう。では、ここまでの流れをまとめてみよう。

Charlotte彗星の接近によって世界各地で能力者が現れた。その中の一人である主人公は自身の能力を使ってやりたい放題の日々を過ごしている。そこへヒロイン友利奈緒がやってくる。友利は能力者を探してはその能力を使わないように説得するという活動を行っていた。謎の組織から能力者を守るためである。

三日前に大接近したCharlotte彗星によって超能力に目覚めた主人公。さっそくその能力を使ってやりたい放題。そこへヒロインの友利奈緒が。強制的に高校へ入学させられる。友利たちは日本に現れた能力者を敵組織から匿い、自分たちの味方に引き入れていた。敵組織は自分たちに従わない能力者はいとも簡単に殺してしまうのである。残る能力者はあと○○人。主人公たちは無事能力者たちを敵組織よりも先に全員確保できるのか?

 

 この段階で設定するのはこの程度で問題ないと思う。残りの設定は物語の展開を踏まえつつ構築していこう。

 

続く

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